米IBMがPC事業から撤退
"米IBMは7日、同社のパソコン事業を中国のパソコン最大手、聯想集団に売却することを発表した。売却額は12億5000万ドルで、中国企業による外国企業の事業の買収としては過去最大規模。聯想はIBMに代わって、パソコン販売台数で、Dell、Hewlett-Packard(HP)に次ぐ世界3位となる。IBMは今後、企業向けサーバーや情報技術サービス事業に特化し、パソコン事業からは事実上撤退する。
2003年の事業成果を参考にすると、聯想はパソコン事業を年間売上高120億ドル、販売台数1190万台に拡張することになる。これは現在のパソコン事業の4倍に相当する。
聯想はIBMのパソコン事業について、研究開発、生産、販売などを含めて全業務を獲得する。買収後、5年間はIBMのブランドを使用する権利を保有。同社は、これまで中国国内への販売に特化してきたが、世界160カ国をカバーするIBMの販売ネットワーク、パソコンユーザーに深く浸透しているIBMの""Think""ブランドを得て、海外市場への浸透を図る。本社はニューヨーク市に置き、北京とノースカロライナ州のラレイに事業所を開設する。
両社は広範に及ぶ戦略的な提携に合意しており、IBMはPC事業売却に伴って聯想に18.9%の出資を行う。IBMは、聯想に対して優先的に企業サービスや顧客金融を提供する。聯想ブランドは情報技術の成長市場である中国で抜群の知名度を誇っており、聯想との関係強化は、法人向けサービス事業に注力するIBMに恩恵をもたらすことになりそうだ。一方、聯想はIBMにパソコンを提供する優先サプライヤーとなる。これによりIBMは、企業や中小ビジネスクライアントに対して、これまで同様のパーソナル・コンピューティング・ソリューションを提供できるとしている。
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[ 更新:2004-12-09 17:40:00 ]